[コメント] 未帰還兵を追って 第二部 タイ篇(1971/日)
前作では捜索者であった今村は、今回はいよいよ質問者となる。そこで明らかにされる言葉は、現代('07)の我々にとっても非常に衝撃的である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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丸で日本という国を自らの中から消し去ってしまいたいかのように、記憶と共に日本語をも封印してしまった仲山氏。当初から軍の有り様に疑問を持ち、軍隊では営倉入りも厭わず、憲兵ともやり合い、面前で繰り広げられた同胞日本軍の蛮行に心を痛め、謝罪の念を抱く利田氏。スパイとして別働隊で行動し、命令に従い数々の残虐行為に荷担し、ある時は軟弱な士官を謀殺までし、軍の再興を13年待てと言われそれを信じて現地に残り、現在も天皇への崇敬の念を捨てない藤田氏。それぞれ日本本土での出身地も、元の職業も、現地に残った現在の暮らしも異なり、それぞれの母国への念も異なっていた。
そこには嘗て我々の前に背を向け口を閉ざしていた「祖父たち」の、真の姿を見る事が出来る。そこから見えてくるモノは、今の大人たちが教える日本の過去とは余りに異なっている。
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