[コメント] 機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦(2017/日)
安彦監督は確かに世を憂いているのだろう。無様なほどに戦闘シーンを避けても彼が描きたいのは、紛れもない戦争の悲惨である。演出の臭さや上滑りするギャグといった失敗点をものともせず、安彦は破綻のなか若者の良心を煽る。いいだろう。もう好きにやってくれ。胸躍る戦争アクションは若いクリエイターがいくらでも引き受けてくれるだろうさ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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敢えて言えば、シャアがその煽りをくらって馬鹿になってしまった点だけはなんとかして欲しかった。「私に跪け、神よ」っていう最後のセリフはドン引きどころでは済まされない。そんな風に自惚れ果てるようなことを、まだ彼はやっちゃいないだろう。
でも、もう安彦アクションの有難みを痛感するには時代も観客も成長しすぎた現在、監督は心温まる童話路線にでも転向するほうがいいようには思える。この作品の真価を問えるのは、たぶん何十年も彼を見続けてきたジジババばかりだろうが、まず安彦はそんな逆境こそを否定したいのであろうから。
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