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[コメント] OL日記 牝猫の情事(1972/日)

シリアス・コメディ・サスペンスとジャンルはシーン毎に猫の目のように替わり収束は投げ出される。脚本レベルでは★1だが、殆ど即興で撮ったんだろうなあと思って観るとなかなかスリリングだった。中川梨絵がやたら妖艶。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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冒頭、中川のマンションから投身自殺があり(ここで投げられる花束が格好いい)、山田克朗の監禁が始まる。すると山田も最後は投身し、中川は連続監禁魔ということなのだろう、ラストが読めているから退屈だなあ、と思って観ていると何の関係もなかった。私はこれが気に入った。こういう脱線は好きだ。製作者は最初のカットなど忘れていたかも知れないような気もする。

何で中川が監禁までした山田との接触を嫌がるのか判らないのが脚本の最大の瑕疵だろうが、その他宮下順子な何だったのだ等瑕疵だらけなので余り気にならない。南京錠の件は劇場内爆笑で、できることならコメディで統一すべきだっただろう。監禁されるとできないけど鍵をみつけたらできた、という男の生理は平凡な印象、むしろ女の思い込みが批評されているのだろうか。この小さな件だけ結構整えようという姿勢が窺えた。

撮影がまた荒い。すごい長回しの後でカットが刻まれたりするのが変な調子だし、必要ないのに顔に影が落ちたりして、姫田とは思われない。よほど時間がなかったのだろう。その割に海岸までロケしているのがすごい。浅川マキの次に凧揚げの件のフンニャラ節が流れる辺りの分裂した音楽採用は70年代っぽく、いま観ると恥ずかしいがちょっと好き。エロシーンが控え目なのはロマンポルノ裁判の影響か。

(評価:★3)

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