結構行定監督の映画は好きなんですけど、ここ最近はハマらんですねー。有村架純と松潤とか地雷臭しかしませんでしたが行ってきました。

まず前提として何も得ることのない恋愛物には響くものが少ないのは元より承知の上。その上でどうしても登場人物が好きになれない時点でグッと来るものはなかったかな。 有村架純の演技は別にそこまで悪くなかった。というより正直実際にいるそういう人を再現している分、悪くなかったし、そういう人自体を嫌いなわけではないので好感が持てた。映画や演劇に興味があるというのは趣味を共有できるわけだし、わざわざ会いに来てくれること自体が嬉しくないわけがない。

気に入らないのは松潤の方で、演技の違和感もさることながら、こういうタイプの人は嫌いなのだ。別に考えが理解できないわけではない。そうではなくて、中途半端なくせに曖昧にしたり思わせぶったりしてはいけないと思う。確かに優しい人柄なのであろう。気づいてあげられるのは普段からの心遣いの影響だ。 ただ、その後で決定的に卒業際のあれだったり看病に行くことだったり、そういう部分が優しさを履き違えている。そりゃ看病にまで行ったらあれくらい優しい人ならそれくらいするわな。 だけど卒業式のそれは違う。優しさではないね、ただの弱さだ。この弱さを見せる、という発想が自分は嫌いなのだ。そりゃ誰しも弱みは見せるだろうが、自分にはそこが理解できないから感情移入はできなかった。終始この作品では弱みを露わにしていく主人公を好きになれる男はいるんだろうか。

そんな二人が感情を一番ぶつけ合うシーンは間違いなくラストだ。なのにどうしてあんなにも薄っぺらな濡れ場になるのだ。「有村架純の大胆な濡れ場」とか言って宣伝してましたが、やたら雨に打たれたりプールに落とされてびちゃびちゃなだけで、濡れ場が大したことない。言葉のナレーションで誤魔化してるんじゃ意味がない。もっと言葉がなくても伝わってくるシーンじゃなくては。濡れ場の意味を履き違えてもらっては困る。

あと作品全員に共通して独特の間がある演技や作品のトーンなんかもイマイチ好きにはなれなかった。 坂口健太郎演じる小野くんも何で急に急変したのかよくわからん（わからんってこともないが、態度に出すのは理解できない）し、唯一有村架純演じる泉に文句をつけるとしたら、なぜ小野くんに行ったのか。その辺の心理は全然わからんかな。忘れたくて、ってことなら逃げだし、そもそも気もないのに食事したり家に行くもんだからそうなるのだ。そういう部分もこの作品を好きにはなれなかった原因かな。

P.S.『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はいい映画だろうが！！！笑