[コメント] gifted ギフテッド(2017/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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毒親の餌食になるのは、たいてい一番上の子どもだ。この作品ではメアリーのお母さんね。現在、メアリーを育てているのは、弟のほうで、彼はとっくに毒母に諦められているらしい。ある意味、お姉ちゃんから見れば、あんたばっかずるい!というところだろう。このお姉ちゃん、初めは好きだからやっていた数学だったが、母親の顔色のためにやってるのかわからなくなったに違いない。で、この弟はその様子を見ていたのに、自分に毒母の毒がまわってこないように周到に逃げていたんだろう。だからこそ、お姉ちゃんが自殺したとき、半分は自分にも責任があると思っただろうし、あの毒婆からメアリーの人生を守れるのは自分しかない!と、覚悟したんだろうなぁ。
というようなことがわかってくるのが、けっこう後半のほうで、観ているほうは、何の話をされているのかわからなくなるときがあるのが惜しい。前夫についての話も、さらっと触れられるだけだが、要するに前夫はどうにかこうにかうまいこと毒妻から逃げて、自分の人生を選んだってわけだ。フランクだってうまいこと逃げてきたつもりになってたけど、メアリーの才能を毒婆が放っておくわけもなく・・メアリー抜きの、メアリーの養育権をかけた裁判が始まるわけで。ほんと、裁判所ってところはわかってないよね。目に見えないからさ、毒親ってのは。金銭的に裕福だってことが優先しちゃうのよね。
それにしても、メアリーがかわいい!そして、演技が上手い!小さな大人のような考え方や話し方をするときもあると思えば、ふつうの小学1年生の顔を見せてフランクに甘えたり。ときには、クラスメートの名誉を守るために上級生と戦ったり。アンバランスな少女の感じが、すごくよかった。
メアリーの成長を見ることよりも、自分が毒母から逃げたかったお姉ちゃん。自分が死んだら、メアリーが同じ思いをすると計算できなかった?天才数学者なのに?(笑)
どうせ命がけなのだから、自分の人生を生きることを選び、メアリーを毒婆から守るために生きてほしかった。あの毒母に、あの程度の復讐したって、なにも変わらない。メアリーの才能を伸ばしつつ、クラスメートと遊んだり喧嘩したりしながらふつうの子ども時代を過ごさせる・・これはフランクにはできない。毒母の毒に苦しんだことがある、あなたにしか。
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