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[コメント] 夜の大捜査線(1967/米)

人種偏見に関しては上手に描けていたと思うが、サスペンスとしては時代を考慮してもB級。最初から真犯人が怪しくてバレバレだし経緯も強引。ポワチエは黒人が白人に差別を受けるのと同様に彼自身も白人を無意識に差別しているという状況を巧みに演じていた。冷たいぐらいのスマートさが周囲の人間に対し斜に構えた感じを醸し好演。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







偏見に揉まれながらも這い上がって来たもののエリート意識があるポワチエの頑なでクールな鎧と、粗野だが人間臭く、偏見に左右されないスタイガーの人間臭さの対比が鮮やか。ストーリー自体は構成が怪しくても二人の人物描写が鮮やかなので作品賞と主演男優賞でオスカーを獲得したのも充分、頷ける。クインシー・ジョーンズの時代を先取りしたような音楽も作品を盛り上げる。ただタイトルや主題曲で騒ぐほど暑い夜のイメージは無い。みんな汗も掻いてないし、ポワチエとかリー・グラントとかスーツや長袖だし、蒸し暑さ感がゼロ。スタイガーが無理矢理「エアコンが壊れてる!」とか叫んでるけど映像からはとても夏らしさは感じられないのが謎。これだったら『サマー・オブ・サム』の方が遥かに暑い夏の倦怠感と苛立を上手に利用しサスペンスを描いていた。ゆえに本作はヒューマン映画としてのみの評価。

(評価:★3)

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