[コメント] ヒトラーに屈しなかった国王(2016/ノルウェー)
映画を見終った人むけのレビューです。
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実際にその場に立ってみないと、どう考えたか、どうするべきだったかは、判らないことはある。国王として、皇太子として、議員として、大使として、そして家族として。
そこに立ちはだかる『屈しなかった』という邦題。映画を見ながら、国王の下す決断が見どころとなるはずだったのだが、もう「屈しなかった」と前置きされてしまっているんだから、「あぁ、屈しないんだ」とか思ってしまった。
どういう視点でこの映画を見るのが正しいのかは判りません。英語題は『THE KING'S CHOICE』=「国王の選択、決断」とかのほうがよかった気もするが、ノルウェーの原題『KONGENS NEI』=「国王のノー」と訳すのかな?そうなると、「屈しなかった」という言葉へとつながってくるんでしょうか?。
国王の決断、王として、一つの国としての、誇りある決断だったと思うのですが、結果として国に戦禍を呼んでしまったと、私には見えてしまった。そこは誇りよりも、何よりも戦争を回避する道を選べなかったのかな?と感じてしまった。冒頭に言ったように「どうするべきだったかは判らないこと」だとは思うが。
そして、結果としてこの映画では、「板挟み」になったドイツ大使の苦労を水の泡にしてしまった。こういう映画では、ドイツ人はみな冷徹に描かれることが多いのですが、家族思いで、そしてノルウェーのことを想って、自分のできる限りのことをしたと思うのだが、その苦労も、メンツも、少しも報われなかったことが、映画を見ていて悲しくなってしまった。ノルウェー語で一生懸命国王に挨拶したり、人払いをしてまで、「彼なりの最善」を尽くそうとしたのに。
国を想う国王の苦悩を描いたと思うのですが、「映画として」はあまりいい印象は残せま出んでした。
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