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[コメント] ヒトラーに屈しなかった国王(2016/ノルウェー)

内容はともかく、まったくもって役立たずの邦題が、この映画の評価を下げる結果に。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際にその場に立ってみないと、どう考えたか、どうするべきだったかは、判らないことはある。国王として、皇太子として、議員として、大使として、そして家族として。

そこに立ちはだかる『屈しなかった』という邦題。映画を見ながら、国王の下す決断が見どころとなるはずだったのだが、もう「屈しなかった」と前置きされてしまっているんだから、「あぁ、屈しないんだ」とか思ってしまった。

どういう視点でこの映画を見るのが正しいのかは判りません。英語題は『THE KING'S CHOICE』=「国王の選択、決断」とかのほうがよかった気もするが、ノルウェーの原題『KONGENS NEI』=「国王のノー」と訳すのかな?そうなると、「屈しなかった」という言葉へとつながってくるんでしょうか?。

国王の決断、王として、一つの国としての、誇りある決断だったと思うのですが、結果として国に戦禍を呼んでしまったと、私には見えてしまった。そこは誇りよりも、何よりも戦争を回避する道を選べなかったのかな?と感じてしまった。冒頭に言ったように「どうするべきだったかは判らないこと」だとは思うが。

そして、結果としてこの映画では、「板挟み」になったドイツ大使の苦労を水の泡にしてしまった。こういう映画では、ドイツ人はみな冷徹に描かれることが多いのですが、家族思いで、そしてノルウェーのことを想って、自分のできる限りのことをしたと思うのだが、その苦労も、メンツも、少しも報われなかったことが、映画を見ていて悲しくなってしまった。ノルウェー語で一生懸命国王に挨拶したり、人払いをしてまで、「彼なりの最善」を尽くそうとしたのに。

国を想う国王の苦悩を描いたと思うのですが、「映画として」はあまりいい印象は残せま出んでした。

(評価:★3)

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