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[コメント] ジュピターズ・ムーン(2017/ハンガリー=独)

主人公の少年(というより青年ですね、'91年生まれの今27歳)と、中年医師との交流で、もっと心打たれるストーリーかと思ったが、見終わった私の心は、宙に浮いたまま。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まずは、少年の「能力」。撃たれたことをきっかけに、生まれ出た「不思議な力」なんだと思うが、そのこと自体が、あまりストーリーの中で活かされていたと思えない。不良っぽい青年の部屋で発動した能力は、「転落死」へとつながるが、そこを「言葉」で語った、いわゆる「ナレ死」じゃ、もったいない。で、それを契機に、例えば「悪い奴を倒してゆく」みたいな話になると思いきや、ひたすら「医師に利用されるだけ」という。

医師は「医療ミス」に向き合わず、お金で解決するべく、少年を「金づる」にする。そんなものをずっと見せられたら、共感なんかできない。あげく、仲間や恋人にまで裏切られ、追い詰められてゆく。最後は遺族に謝罪し、少年を「守る」のだが、そこまでの道筋が雑なため、最後の決着が心に残らない。

追いかける刑事?も、なんだか。彼はそれが「仕事」なんだから、荒っぽいのは判るが、少年を「テロリスト」に仕立てるのは、いくらなんでも無理がある。その背景にある移民問題や、テロ行為などの「ジュピターズ・ムーン」=「ヨーロッパ」が抱える社会問題の提起のつもりなのかもしれないが、「ただの性悪」に見えるのは、仕方ないのかな?

というわけで、すごく感動できるんじゃないかと、期待して見に行ったのに、見終わった後、本当に私の心は宙ぶらりん。

(評価:★3)

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