[コメント] At the terrace テラスにて(2016/日)
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「100%富裕層向け映画」という宣伝文句だけど、石橋けいはSEIYUで買い物してんじゃん。やっぱコスパ。どうでもいい話だけど、石橋けいってシュシュトリアンだったのね。
岸田國士戯曲賞を受賞した獲得した山内ケンジ自身の舞台作品「トロワグロ」の映画化ということなのですが、本人の話によれば(舞台挨拶を見ることができて最前列で平岩紙を見た)、脚本(台本)もそのまま、配役もそのままで撮影したそうです。つまり、芝居は出来あがっていてカメラだけ回したってことのようですな。
約90分間、劇中の時間がリアルタイムに進行します。ヒッチ先生『ロープ』の手法ね。 テラスに人が出入りする、いかにも演劇の舞台ではあるのですが、不思議と「演劇畑の話&演出だなあ」という感じがしない。いやまあ、元々CM畑の人ではあるんですけどね。
その理由が何だかは分からないんですが、私が感じるに、この人の映画はメッセージ的なことを声高に叫んだりしない。相変わらず「攻める女と逃げる男」という構図。居心地の悪い会話が絶妙に面白い。おそらくこの監督が描きたいのは、特別なメッセージではなく、日常に潜む非日常の面白さなのかもしれない。
劇中、川端康成の短編小説「片腕」の話が出てくるが、それに似た摩訶不思議な感じがある。いや、ない。そんな幻想的な話じゃない。むしろ人の悪意がゴロンと提示される。それなのに摩訶不思議な感じがする。
(17.06.24 ユジク阿佐ヶ谷にて鑑賞)
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