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[コメント] クソ野郎と美しき世界(2018/日)

いささか、とうの立ったアイドルの新生プロモーションとして既成の枠にはまらない映像作家を起用してオムニバスを作るというのは悪くない企画だし、以前の藤島ジュリーKさんのところでは撮れない映画を期待したのですが、仏は作れても入魂までは難しいですね。
ぽんしゅう

■「ピアニストを撃つな!」 園子温監督・・・・・ほとんど動かない稲垣吾郎さんを物語の中心に据え、弾けっぷりと疾走ぶりが素晴らしい馬場ふみか浅野忠信満島真之介の「動」を推進力にスクリーンを引っ掻き回すスラップスティックの定石。薄味ですが楽しめました。

■「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」 山内ケンジ監督・・・・いささか現実の香取慎吾さんに媚を売りすぎな感もありますが「歌喰い」のアイディアは面白かったです。無表情の低体温ぶりが市川実日子を彷彿とさせる若干12歳の中島セナちゃんも、まだ未知数とはいえ今後が楽しみです。

■「光へ、航(わた)る」 太田光監督・・・・・草なぎ剛の十八番、怖そうだけど本当は良い人、はあまりにも妥当すぎ。壊れ気味の尾野真千子もどこかで観た気が・・・・。太田監督らしい毒気のあるボケ/ツッコミの掛け合いが、ときどきクスリと笑わせてくれる、だけ。

■「新しい詩(うた)」 児玉裕一監督・・・・・映画としての仕掛けが何もなくフィナーレの大団円としては肩すかし。プロモーションビデオの域を出ず、とてもお金の取れるしろもではない。オムニバス作品として本作をまとめきれなっかたこの4本目の失敗は罪深い。ミュージカル映画をなめるとこうなる悪例。

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で、稲垣さん、香取さん、草なぎさんが新境地を見せたかというと、3人とも過去の既存イメージ踏襲の安全牌だのみ。とは言え、この人たちは、いったいいつまでアイドルを続けるつもりなのだろう、などと3人を責めるのはお門違いなような気がします。

安全牌を手放せないないのは、一新された(であろう)にもかかわらず既得権益から抜け出せない新スタッフ陣であり、数十年来の年季が入り過ぎたファンの人たちの方じゃないのでしょうか。

(評価:★3)

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