[コメント] フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017/米)
シングルマザーの物語は数多く作られてきたが、今作が今迄と違うのは、子供の視点で描いた事と、ディズニーランドを絡ませたことだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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例えば、母親の客が、子供が遊んでいる風呂のカーテンを開けるシーンだ。
客取りのよく有るシーンだが、事前に風呂遊びシーンを何回も挿入しており、カーテンが開けられた時、子供のみならず観客もドキッとする。子供視点にした為、特に印象深いシーンになった。
このモーテルというかイン(簡易宿泊施設)の住民は下層階級或いは訳あり人々ばかりで、その割には?色はカラフルで、名前もディズニーランドではないがフューチャーランドとかマジックキャッスルとかで、実に空疎で嘘くさいのだ。
そしてラストだ。現実に押しつぶされ、ただただ泣くばかりの主人公ムーニーに対し、幼いジャンシーが、一生懸命に考えたのはディズニーランドだった。そこに行けばムーニーに笑顔が戻ると考えたのだ。
ディズニーランドもフューチャーランド、マジックキャッスルと同じで現実には夢と希望が溢れている訳ではない。ただ有る、と信じているから、そこには有るのだ。ジャンシーにつれられたムーニーはきっと一瞬でも笑顔を取り戻したに違いない。
その後その笑顔はまた現実に押しつぶされただろうが、それでも、この時夢と希望のディズニーランドに行ったという思い出をムーニーは忘れることはないであろう。
このラストで夢と希望が見える作品になった。それこそ、子供の視点にした意味が有ったというものだ。
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