[コメント] アメリカン・アサシン(2017/米)
イラン核合意廃棄のエートスを語って生臭く、間違って紛れ込んだ極右の集会みたいな体験ができる。こいつらスタッフもキャストも全員トランプ・シンパに違いない。映画も安物。
流暢なだけの編集とタラタラ垂れ流される音楽でもって、話は何のコクもなく展開する。途中参加のマイケル・キートンの来歴など全然興味が湧かない。昨今のハリウッドの悪癖であり、TVドラマ並。そんな監督なのだろう。
番犬が車のなかに侵入する件は、直前にルーフトップが割れているのを忘れたのだろうか、まるで迫真力がない。ボート内でのバウンドもありがち。当たり屋をして車盗む件だけは勉強になった。
ディラン・オブライエンの怨念を「逸材」と巻きこむCIAの手口はアメリカの恐怖政治そのもので、観客にもそうしろという裏メッセージが露骨に出ている。攻め込むのを煽って商売する様はもうひとつの瀬戸際外交。この手の強迫神経症蔓延を目指す作品に死の商人どもは定跡通り姿を現さず、ただ艦隊を軍事パレードよろしく陳列したりしているのがまた生臭い。
チラシによればこの原作はクリントンもブッシュも「魅了した」らしく、大統領連もお客と一緒に恐怖するのかと思うと阿呆らしくなる。アメリカのタカ派の現状認識を垣間見るには格好の作品。
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