[コメント] かも(1965/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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登場数分でこいつ最後は殺されるなと判る(殺されないけど)梅宮辰夫は、彼でなければさらに顰蹙のキャラだろう、女にモテる憎めない色気とはこんなものなんだろうと納得させられてしまう。北原しげみの強かなマダム造形も印象的で、彼女に騙される玉川良一も、劇作の倫理観を担保する浦辺粂子も適材適所。
話はホステス業界を穿っているのが美点(特に数字。銀座に3万人いたとか)だが、彼等彼女等の運命は類型的でよくある風俗ものの範疇を出ない。もしもう30分延長できて、緑の来歴など語られれば深みと魅力が増したに違いなく、81分では人物詰め込み過ぎたと思う。
最後に梅宮を半殺しにする城南大学の校歌のメロディは軍歌であり(冒頭で緑を交えて歌われる)、梅宮を殺さないのは戦中派関川の倫理観と見受けられた。彼にとってはアプレものだったのだろう。城南大の面々がすぐ足がつくだろうに校名入りの柔道着で襲うのは(いや、そもそも柔道着に着替えること自体)何故なのかさっぱり判らないが。
半次郎撮影は好調、緑レイプの際の雑草なびく主観ショットが決まっている。このレイプ犯の石橋蓮司と緑は本作で出会ってリアルで結婚する、とは出来過ぎた話。なんで蚊取り線香を蛍光灯の紐にぶら下げるのだろう。
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