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[コメント] 狂った果実(1956/日)

どいつもこいつもデビュー作で素人っぽいところが良いです。この映画の主な出演者の中で唯一北原三枝だけがベテラン(若いけどね)。でも新鮮ですね。
chokobo

奪い合い、憎しみ会う、という構図が青春の残酷な一面として新鮮に描かれていて、映像としても斬新に写ります。

中平康監督をはじめ石原裕次郎津川雅彦も新人で、その割に美術の松山宗さんは黒澤明監督の『羅生門』などを手がけた大ベテランだし、音楽の佐藤勝さんも東宝の人気音楽監督で、有能なスタッフが集結しているところもこの映画を魅力的に押し上げている点ですね。音楽監督になんと武満徹さんが名前を連ねていて、この作品が映画音楽としては駆け出しの頃だったわけですね。

佐藤勝さんも武満徹さんも、黒澤明監督の大親友でやはり東宝の音楽監督だった早坂文雄さんのお弟子さんで、ちょうどこの作品が作られた前の年に病気で亡くなられた頃だったはずです。早坂文雄が亡くなってから、お弟子さん達が見事に師匠を継承されて多くの作品で活躍される、というのも日本映画の古き良き時代のことなのかもしれません。

カラオケで歌われる『狂った果実』という歌は、映画ではちょっとしか聞こえてきませんが、やはり時代を作った映画ですので大変印象的ですよね。これは佐藤勝さんが作曲されたんですね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)甘崎庵[*]

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