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[コメント] スカイライン 奪還(2017/英=中国=カナダ=インドネシア=シンガポール=米)

前作に比べると随分と説明が多くなって、説明台詞とアクションシーンだけという極端な映画になった感じはするが、B級SFアクションとして好ましいと言えば好ましいのだ。
シーチキン

1作目は日本では確か2011年6月に公開された。3・11の直後で日本初の原発事故が発生し、放射性物質による汚染という目に見えない不気味な不安が覆っている時だった。それだけに余計に詳しい説明もないまま、突如襲来した何かが人類には理解不能な力で人々を吸い上げていくという恐怖感が凄まじかった。

ただそれが製作側の狙いだったかというとそうでもないとは思うが、あの時期の日本公開ということで観る側に、少なくとも私にはかなり強烈な印象と漠然とした不安、恐怖にもにた感情を覚えた。

それに比べると今度は、前半は前作のシーンに派手目なアクションを加えた感じで見覚えというか、「そうそう、こんな感じ」というゆとりみたいなものがあったし、後半の説明台詞で「ああ、そういう話にしていくのね」という感じで観ていた。

この意味で観る時期によって映画の印象が変わることがあるという一つの好例のような映画に思えてしまう。

本作は、それなりに前作とのつながりを意識しているし、ファーストシーンの意味が物語の展開にあわせて予測させるという点で、まあよく工夫もされている。

意外に最後まで大活躍する女車掌ボヤナ・ノヴァコヴィッチ(終盤はグラマーなスタイルがえらく強調されてたなあ)とか、ありがちな演出とか、予算を抑えて東南アジア系のアクション俳優を使うので舞台がそこへなったんじゃないかと思わせるなど、真の意味で堂々たるというか、真っ当なというか、B級SFアクション映画に仕上がっているのは、好ましい。

(評価:★3)

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