[コメント] 犯罪都市(2017/韓国)
過剰な狂気は視るに堪えないが、それが現実でもある。マ=ドンソクによって娯楽映画として成立し、そっちがファンタジーなのかも知れないが、しかしそれが観客に生きる勇気を与える。☆3.7点。
朝鮮族は半島周辺の中国国内にも広く居住しており、北朝鮮国境での密貿易等に関与してる、という様な報道を視た事がある。恐らく中国の朝鮮族に対する韓国国民の感覚は、北朝鮮に対するもの以上に複雑なのだろうが、アイヌや琉球を圧倒的暴力でねじ伏せた大和民族には、その奥底は窺い知れない。
それにしてもカネカネカネで、破滅的に暴走するユン=ゲサン。<略奪>でなく<統治>であるなら、そんな無茶はしない筈だが、現実の恐怖や被害を映画的に表現するとああなるのだろう。対抗側にも力が必要だが「正義の力」なんて存在するのか、という古来からの命題である。「強くなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きる資格がない」というのがフィリップ=マーロウの科白だが、俺はそれを「強くなければ優しくなれない、優しいからこそ強くなれる」と勝手に改変している。<真の強さ>が観客に希望を与えるのだ。
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マ=ドンソクの登場シーン、彼は携帯電話で会話しながら刃物を持った者同士の喧嘩を止めてしまうのだが、それで俺は少林寺拳法を創始した宗 道臣の逸話を思い出した。宗は敗戦直後の暴力が日常茶飯事だった日本で、青年達を「力で説得」して少林寺拳法を開創したのだが、或る時、集団で喧嘩をしている中に仲裁で入ったのだが、見ていた弟子によると「やめんかやめんか」と言いながら端から端まで歩くと、魔法の様に暴漢達が転がっていったらしい。
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