コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] マッハ!無限大(2013/タイ)

∞(無限大)とはこれ以上はもう無い、という事。☆3.2点。
死ぬまでシネマ

原題は「Tom Yum Goong 2」で、『マッハ!!!!!!!!』('03)ではなく『トム・ヤム・クン!』('05)の続編。『マッハ! 弐』('08)は『マッハ!!!!!!!!』とは話の繋がりが無いのに続篇とされたが、本作は登場人物や物語は『トムヤム』に(一応)繋がっているのに(本邦では)『マッハ!』シリーズ扱いになってしまった。『マッハ!』シリーズと『トムヤムクン!』のグチャグチャ具合は、丸で『荒野の用心棒s』と『夕陽のガンマンs』の様だ。これは売らんかなの悪徳配給会社によるものであり、下記に述べる様に本作の内容もまた確信的に酷い。

     ◆     ◆     ◆

マッハ!!!!!!!!』は「NOワイヤー、NO CG」を標榜し、トニー=ジャーは誰も予想しなかった超絶アクションを魅せ、我々は彼こそは撮影中に死亡するだろうと予想した。肉体と精神を極限に迄削り上げた彼だが、その後映画ビジネスの現実に辟易したのか、2010年に引退→出家してしまった。所がそれを惜しんだ映画界は、如何なる方法を用いたか彼をすぐに引き戻し、2011年に本作の製作を発表、'13年に公開された。

本作は「今度はワイヤーを使います、CGも使います、使えるモノは何でも使います(∞)」と標榜する。10年の歳月でアクションのキレはどうしても初期より劣るが、何よりも問題なのは制作者にトニーの人間性を最大限に引き出すリスペクトが無い事だ。

作中、敵役が「お前は前回(『トムヤム』)凄い事をやったが、その後無駄に何をしていた? お前には戦いの舞台が必要だ!」みたいな(多分)事を言っていたが、言いっ放しだったから制作者の本心なのだろう。一見トニーファンの代弁の様でもあるが、お帰り歓迎ではない売り物扱い、彼へのリスペクトに欠いた高慢な態度に反吐が出た。

こんな制作だからアクションの魅せ方に進歩も工夫も無く、折角のジージャー姫との競演にも華が無い。斯くも至宝の無駄遣い、全く無念としか言い様が無い。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。