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[コメント] インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実(2011/米)

80年代のレーガンからオバマまで、リーマンショックを中心にした金融業界の不正が整理されている。インタヴューの相手がどれほど云い淀むか、怒り出すかでドキュメンタリー映画の成功を測るとすれば本作は大成功。しかし取材拒否が多過ぎたかも知れない。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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(要点メモ)

モルガン・スタンレーは1972年には従業員110人だった(作品製作時は5万人)。1980年の投資銀行株式公開で世の中がかわる。「預金が盗まれた」。レーガン以降、30年にわたる金融規制緩和。デリヴァティブ。CDO(証券化商品)。金融業界は風俗業に溺れる人が多いという主張を映画は不自然なほど述べ続ける。

リーマンショック(2008年)は、2004年にFBI、2007年にIMFが警告していた。バーナンキは否定していた。格付け会社は全く信用できない。破綻直前までAIGなどは2Aだった。さらには破綻で儲かる金融商品が流通していた。

リーマンショック。中国人も1千万人が職を失った。しかし金融業界はロビー活動と政治資金で生き残った。米は不平等社会になった。平均的アメリカ人に大学は遠い存在だ。カリフォルニア州立大の授業料は70年代には650ドルだったが今は1万ドル。ブッシュの減税策は1%の富裕層のものだった。

FBR議長グリーンスパンからバーナンキへ。オバマ政権もバーナンキを再選している。「オバマもウォール街政権だもの」。欧州の金融業の報酬制限をオバマは静観した。金融業界は社会から背を向けた、との総括。

(評価:★4)

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