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[コメント] 泥だらけの純情(1963/日)

これもどうしようもなく日活映画。たまらない。強烈なシーンがいくつもある。ただ、まとまりはよろしくない。例えばバー「ミシシッピ」の女給役では星ナオミ以上に三井真澄という女優(?)が良く目立つ役というか重要な役なのだが、彼女が浜田光夫に腋毛の処理を手伝わせようとするシーンがある。
ゑぎ

 この腋毛処理の場面はプロット展開上、完全に浮いているシーンだが、こゝが本作で最も印象に残ってしまう。あと浜田が村田英雄の「王将」を2コーラス歌う場面がある。裸電球の寂しい光の扱いも良い、グッとくる演出で私はこのシーンが本作の白眉だと思うが、こゝもプロットを効率的に語る上では不要な部分だろう。ラスト近くの夕景の丘のカットが気合い入りまくりのフォトジェニックなカットなのも突出感がある。

 ただ本作が今ひとつ物足りないのは矢張りヒロイン吉永小百合の造型にある。余りの優等生ぶりもその裏返しとしての向こう見ずで一途な情動もいかにも作り物めいている。端的に云って可愛いと思えない。ラストの処理なんかも「いかにも」で恥ずかしい。

#取り調べ中、窓の向こうをヘリコプターが飛ぶカットがある。刑事の声が聞こえなくなる。『甘い生活』(1960)か『鏡の中にある如く』(1961)の影響か。

#女給役の三井真澄という人はWikipediaによると中平康の行き着けのバーのホステスらしい。浜田に後ろから胸をつかまれる。また腋毛を見せて「ミョウバンを塗って毛抜きで抜いて」と云う。

(評価:★3)

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