[コメント] 彼の見つめる先に(2014/ブラジル)
プリミティヴな心の触れ合い。友情と愛情のきっちりとも分離していない子供たち同士のすれ違い。そこから生まれるものが神代の昔からの純粋な思いだ、とついつい思い込んでしまうせいか、ラストで少年から噴出する感情は少女どころか俺をも震撼させる。爽やかな少年少女の友情物語と見えただけに、それはショッキングだった。しかも、その描写はグロテスクではなく温かなのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そうだ、この同性愛は人間の初源的な感情のひとつだったのだ。マイノリティを礼賛する映画は、もう机上の理屈の域をとうに超えていることに、大人たちは目を塞いできていたのだ。
この映画を事前知識を少ししか得ずして鑑賞した俺としては、あんぐりと口を開けながらも、もはやLGBTは普通の生活に寄り添う事象なのだ、と決定的に知らされてしまった作品だった。そして、それを笑うのは相変わらずの精神的に幼い悪童たちのみであり、嫉妬に心燃やしつけていた少女すら彼らをフォローし続けることを厭わないのだ。この少女はいいキャラクターであり、年齢相応の器しか持たないと見せかけてその情の深さは子供ばなれしている。いや、なまじの女性より子供であることで鷹揚であるとも言えるか。この矛盾は少女ならではの謎めいた特性だ。
ともあれ、プラトニックラヴを卒業しようとする少年たちの恋物語として出色。
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