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[コメント] 800万の死にざま(1986/米)

アンディ・ガルシアのバイオレンスを堪能。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







脚本のオリバー・ストーンは勝手に書き換えられたりとハル・アシュビー監督と上手く行かなかったらしく、不満を露わにしていたけれど(撮影も『サルバドル』でメキシコへ出国している間に行われたらしい)、特にニューヨークからロサンゼルスに舞台を変えた事を強く批判していた。原作は未読だけれど、恐らく麻薬絡みの陰鬱な都市モノというのが当初の趣向だったのだろう。それがロサンゼルスにジェフ・ブリッジズという組み合わせでは、必然と陽気な方へ傾いてしまう。どうも根の暗い薄汚れたストーリーを変に明るく着飾っているみたいでバランスが悪い。

「アルコールで仕事と家庭をダメにした男」という主人公の割りに、今一つクズ野郎になり切らず、何だかんだで救いがあり過ぎるので、中途半端。葛藤もロクに感じられない。ただ、アンディ・ガルシアは迫力がある。嫌でもストーン臭がプンプン漂って来るド汚いセリフ回しもかなりマッチしていて、このキャラクターには「もっと見てみたかった」と思わせられた。髪型もいいし。(笑

倉庫でのシーンは期待高まる場面のはずが、無駄に広い上にチョロチョロと煩い人数で随分マヌケている。本当なら、もっと面白くなりそうな・・・。まぁ、ちょっと後の『レザボア・ドッグス』に通ずる香りも何となく・・・?よく誤解されていますけど、監督としてのスタンスが説教オヤジ気味だとしても、やっぱストーン(倉庫自体が誰のアイディアかは知りませんが)って陰惨なバイオレンスとユーモアなんですよね。タランティーノも『サルバドル』なんかは結構見てたみたいですが。

(評価:★3)

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