コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] いつの日か花咲かん(1947/日)

在外同胞救出学生同盟の真面目な記録だが物語は余りにも平凡なメロドラマの連発。引揚者の具体的な受難を突っ込んで描かないのでは作品の意味がない。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば冒頭の駅舎内でチンピラが「この引揚げ野郎」と罵るが、これはどういう背景なのか。彼等は何を求めて「内地」へ行き、どのような加害と被害を体験し、何を得て何を失ったのか。これらを重層的に描かず、ただ可哀想な人たちで済ましてはいけないだろう。当時の同胞合憐れむ感情の他には何も見えない。これらを問わないのは引揚者たちへの配慮からなんだろうが、生半可な配慮と忖度は当然にドラマの敵である。ラストの小林桂樹の挨拶はアイディア映画の系譜にあるのが確認されるが、上記理由で説得力に欠ける。

父が帰るまで結婚など考えられない、と悩む小林の屈託には説得力があるが、それ以外には何も出てこず、後は別に引揚者の境遇とは関係のない再就職だの子供との別離だの死別だののオンパレード。非難されるのが金持ちの大家ではお手軽に過ぎる。愉しいのは三條美紀の上手なピアノとヤンチャな関千恵子ぐらい。伝説の牛原映画を確認するには不適当な作品。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。