[コメント] 喜望峰の風に乗せて(2017/英)
過酷な南氷洋を越えたら素晴らしい景色がある筈、と海人は喜望峰を仰ぎ観る。★2.9点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ミスキャストの極み。自宅を事務所兼工房とする発明家兼セールスマンが、海洋冒険家を目指してヨットレースに挑むが、矢張り素人の気まぐれを海は受け容れてはくれず、状況はどんどん悪化して行く…、という粗筋と展開はいい。所が主人公ドナルド=クローハーストがコリン=ファースでは、冒険に飛び出そうとする楽天家を全く表現出来ない。後々の展開を考えて腰が引けたのか、海へ出る迄の描写も性急で何の昂揚感も無い。
結局無謀と偽装の責任を取って物語は悲劇で幕を閉じるが、こんな無思慮で判断力に欠けた神経質男の自爆に、何を感じ取れと言うのか。監督のジェームズ=マーシュ(Marsh)は自分がこの「The Mercy」(原題/天佑・慈悲)を演出するのが天命だと思ったのかも知れないが、観客にはとんだ悲劇だった。
ただ、実際のクローハーストもどこか神経質な印象の風貌で、ファースに似ている。実際に映画の様な人間だったのかも知れないが、正直に作って詰まらなくなっても仕方が無い。そこは偽装(創造)するのが作品というものだ。
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蛇足として航海日誌の最後にこう書いておいてはどうか。「私は好きにした、君らも好きにしろ」 蛇足か。
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