[コメント] ホイットニー 〜オールウェイズ・ラヴ・ユー〜(2018/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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80年代にホイットニーのヒットソングに慣れ親しんだ世代の私としては、判ってはいたものの、後半の転落人生は目を覆いたくなるものだった。なんとなくボビーと結婚してからの荒んだ生活、という印象だったが、もうそれ以前に、いや生まれた時から「業」を抱えていたんだと判った。
まずは「躍進期」は、見ていてやっぱり気持ちいい。ヒットソングも次々に登場し、純粋に彼女の美声に癒されていた。しかしもうその頃から、「薬物」はメインテーマになっていた。日本でも手に入れたって?マジかよ。
そして彼女の「取り巻き」が支えながら、足を引っ張っていた。とくに「父親」はこの映画の中ではかなり強欲に描かれている。
そして「円熟期」。トップに立ちながらも、やはり新しいスターたちに苛立つみたいで、ジャネットやポーラ・アブドゥルに対して悪態ついたり。さらには「whity!」とブーイングを受けたり、順風満帆ではなかったが、「国歌斉唱」はやはり伝説だったし、そして『ボディガード』がやはり凄かった。
そして「転落期」。ボビーとの結婚、そして出産、移籍、訴訟、薬物依存、ライブの失敗、すべてが裏目。ただ歌って、レコードを出して、ライブをしていれば、それなりに安定して生活は約束されていただろうに、それができなかった、叶わなかったのは悲劇だが、自業自得だろう。
その途中には、きっといくつかの「もしも」があったのかもしてないが、何となく一つの「もしも」を避けられても、きっと別のもしもで悪い道を選んでしまったんじゃないかと思う。
そしてなにより「薬物」。やっぱりいまさら言うまでもなく「恐ろしい」ものだ。最近みる、若くして亡くなった実在の人物を描いた映画の人物は、やっぱり「薬物」が関わっている場合が多いきがする。もちろんそんな有名人は大勢いて、みんな失敗して、でもそこから立ち直っているひともきっと大勢いて、でもそれができなかったホイットニー。そして2012年2月11日。今から7年前に、浴槽で48歳の生涯を閉じた。
こんかい、この映画はホイットニーの近しい人にインタビューを試みている。母親のシシー、弟のゲイリー、その妻パット、元恋人、実際のボディーガード。そしてケビン・コシナーへも。もちろんボビーにもだが、「薬物」に関してはほとんど何も語らなかったみたいだが、それでもよくインタビューに応じたと思う。ホイットニーの人生を語るうえで「悪役」にされかねないのに。
終盤に薬物に手を染める「きっかけ?」として、少女時代の性的虐待が挙げられていた。そうかもしれないが、これ必要だったかな?「実名出していた」のは衝撃だった。
ひとつ残念だったのが、きっと「最重要人物」のひとりに違いないロビン・クロフォードのインタビューがなかった。一番ホイットニーの身近にいた人物。結局依頼したが断られたみたいだが、ロビンの目線から見たホイットニーがどうだったのか?とても興味があります。家族からは疎まれていたみたいだが、ホイットニーの「親友(以上?)」の話次第では、まったく違うストーリーになったかもしれないし、ボビーと結婚せず、そしてずっとロビンがそばにいたなら、いまもホイットニーは、美声を私たちに届けていたんじゃないだろうか? ちょっとだけそう感じました。
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