[コメント] 女王陛下の007(1969/英)
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2代目ボンドとして華々しく登場したレーゼンビーだが、何故かあまり人気が無く、彼の主演はこの一本で終わってしまってる。
だけど、私は本作をかなり気に入ってる。コネリー版ボンドは確かに格好良いが、アクション部分にちょっと不満がある。特に相手を殴り倒す場合、ジョン=ウェイン以来伝統の、ぐっと拳を握って顔の横に構え、そのまま敵の顔をぶん殴ってる。確かに見栄えはするし、強さを見せつけはするんだけど、リアリティはなし。言ってしまえば、“殴り合いはこうするべし”と言う教科書的な描写になってしまってる。それが、レーゼンビーの場合それが当てはまらない。むしろ動き回って敵を翻弄し、的確にダメージを与えていくって殴り合いになってる。これがかなり気に入った部分。それに、全然超然とした部分が無く、非常に人間的。笑う時は笑い、泣く時は泣く。こんな人間くさい007がとても気に入った。
これまでの作品の中では一番設定的に無理がないのも良し。やっぱボンドだって、結婚くらいするよね。子供のことを語る幸せそうな表情と、その後の落差が又良いんだよねえ。
勿論その他のアクションもちゃんと見栄えがするし、特にラスト近くのボブスレー・チェイスは緊迫感ある。自分でコントロール出来ないスピードでよくあそこまで戦いの駆け引きを演出できたものだ。
褒めてばっかりだとなんだから、ちょっと気に入らない部分も一応挙げておこう。
レーゼンビーは、なるだけおしゃれに決めようとしてるんだけど、おしゃれの基準がちょっと違ってるなあ。フリルの付いたワイシャツなんて、ボンドじゃないよ。やっぱ服装はシンプルであってほしい。
あと、お気に入り、Qの新兵器紹介シーンがなかったのもちょっと残念(ラストで出演はするんだけどね)。
…と言うことで、あんまり悪く言う要素はなし。これが一作のみってのは勿体ないなあ。
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