第２作目なので仕方ないと思うが，最近の映画と比べてしまうとストーリーもかなり単純だし（かと言って，最近の作品の方が出来がいいとは必ずしも思わないが…），私はそれほど傑作とは思わない。同じく単純なストーリーでも，単身敵地に乗り込んで敵の秘密基地を壊滅させる『ドクター・ノオ』の方がいい。

（なお昔，この原作も読んだが，原作の方がもっとパッとしないような気がした。原作では，何とボンドが最後は致命傷？とも思われる傷を負ってしまうところで終わっていて，一体どこが有能なスパイなのかという印象だった。）

また，ストーリー以上に，ショーン・コネリー演ずるボンドは逞しくセクシーで格好いいものの，どう見ても殺し屋グラント（ロバート・ショウ）に迫力と実力（？）で負けているように思えてならない（笑）。

それでいながら，この作品の評価が高いのは，やはりダニエラ・ビアンキの美しさゆえではないだろうか。彼女は確かに美しいが，これは，彼女が色白・金髪のいわゆるクールビューティーで，まさに日本人の思い浮かべる美しい外国人のイメージにぴったりだったということもあるんじゃないかと思う。