[コメント] ANON アノン(2018/独)
非常に野心的な映画と思う。視覚をハックする殺人者というアイデアが中々に面白く、警察の捜査も被害者の遺した主観視点の映像をもとに行われるのだが、核心に迫るにつれてどの視点が本物でどの視点が幻覚なのか曖昧さが増し、映画の視点・記憶の不確定性にまで鋭く言及していく構成に唸る。
全編通して必要以上に大仰にならない静謐さも好ましく、自分の視点を監視された状態での隙を突く脱出方法やクライマックスでの視覚をハックされた状態での銃撃戦も、古典的かつ簡潔な描写に新味を加える演出が素晴らしい。VR時代の映画として相応しい力作。
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