[コメント] 救いの接吻(1989/仏)
オープニング。横臥するマチュー(フィリップ・ガレル)からパンして部屋に入って来るジャンヌ(ブリジット・シィ)を映した後、延々と彼女を長回しでとらえ続ける。このあと、主演女優アネモーネに役を譲るように云いに行く。この出だしは、よく出来た不条理劇で、実に魅力的だ。
二階の部屋だろう、窓の向こうの木々が揺れる、逆光気味の光の扱いもいい。現実よりも何よりも、映画に価値を置く価値観が吐露されるのだ。
中盤、ジャンヌが男とベッドにいる。その傍らには息子のルイ・ガレルも。この展開も面白い。幼児期のルイの可愛らしいこと!雨の中、港、浜辺の向こうから歩いてくる三人のカット。レインコート姿のルイが三輪車を漕ぎながら、はしゃぎながら近寄って来るカットがベストショットか。
アントニオーニの映画みたいだ、という科白の後、開けた草原のカットに繋ぐ。草原の道から山並みをパンニング。ルイが走る後ろ姿のロングショット。こゝも美しい。
#友人達と映画館から出て来る場面。ジャック・ロジエの映画のポスターが見える。カフェでの友人達との会話では、映画と物語の関係について語られる。
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