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[コメント] 黒の栖 クロノス(2014/日)

設定に弱さがあり、それが死神たちの結束を乱す一因となっているようだが、そのあたりの危うさから彼らが大人げない存在に見えてしまう。ファンタジーとしては青臭い。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







死神たちは主人公に、迷っている魂を放置すると異形の怪物に堕してしまう、と警告する。それが本当なら彼らの仕事は正当であるのだろうし、抗う若手の死神たちは青臭くて仕方がない。たぶん監督のお気に入りなのだろう死神の女など、「あたしは面白いことが好きなのよ」などとうそぶいて上司に背き後輩に手を貸すのだが、この幼稚な反抗には鼻白んだ。若さイコール無鉄砲さへのエールとも映るが、これは自分の経験に後ろ足で砂をかけているとしか見えない。説得力のない寓話の常套句としてはよく見る例だが。

影のないリアルっぽい絵柄は今の流行りのようで、好みでないとはいえこれは仕方ない。それでも作画家の描く描線に色気はあるので救われてはいるようだ。

(評価:★3)

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