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[コメント] 眠りの館(1948/米)

列車のコンパートメントで眠るクローデット・コルベールが目を覚まし、窓外を見て驚愕する、という冒頭シーンから、とてもキャッチーな良い出だしだ。
ゑぎ

 この後、NY、サットンプレイスのコルベールの家に場面が移り、彼女の夫ドン・アメチーと刑事のレイモンド・バーのシーンとなるが、この家の窓とバルコニーも見事なのだ。やはり、サークは窓の演出家だ。バルコニーの向こうに、クイーンズボロ橋が見える。さらに、この邸の階段、その仰角構図もいい。仰角では、他にも、高架鉄道の線路を下から撮ったカットや、バルコニーの手摺に上ったコルベールのカット等も印象に残る。

 高架鉄道は、悪役、ジョージ・カラリスの写真館の窓から見える。この家に、本作の妖婦役と云っていいダフネ−ヘイゼル・ブルックスが住んでいる。彼女の登場カットは、下着に薄いガウンを羽織っただけの衣装で、その脚カットから。ブルックスは全体に色香が強調され過ぎ、違和感ありだが、目に嬉しいので良しとする。

 尚、クライマックスでカラリスが、天井の明り取りの窓から屋根に出ようとする演出があり、ダグラス・サークの天窓へのこだわりが本作でも見ることができる。

 手の形の奇妙なドアノッカー、ココア、マグライト、角縁メガネ等々小道具の使い方も面白い。

#メジャーのマークは出ず、Triangle Productions Mary Pickford と出る。

(評価:★4)

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