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[コメント] 眠りの館(1948/米)

ヒッチ、ラングの影響下にある神経症的作品で、本家に伍する見事なもの。目が覚めたら汽車が目前に迫ってきていた、という冒頭からして素晴らしい。そりゃ飛び上がるわな。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







クローデット・コルベールが結婚式(無駄に長いのが効いている)から帰ったらジョージ・クールリスが部屋にいるショットも素晴らしい。高低差の演出が決まっており、二階のベランダの手摺に乗りあがるコルベールのショットはほとんど芸術的だし、ラルフ・モーガンの階段転落(このらせん階段はすっと示され続けていた)も巧い。怪しいヘイゼル・ブルックス一味の怪しい写真館商売などヒッチ好み(ナチの裏商売みたい)、あんな店に入りたくないなと思わせられる。中国人の結婚式は思い返せば愉しいものなんだが、劇中の宙吊り状態ではやはり異様な印象が残る。

ただ、亭主のドン・アメチーの素人催眠術がここまで効くものだろうか、という処は余り突っ込まないほうがいいのだろう。あとはロバート・カミングスのキャラが把握しづらいのが小さな瑕疵だろうか。探偵でもないのに探偵する人物はノアールには大勢いるが、彼は中国で探偵をしているのだろうか。

(評価:★4)

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