[コメント] ジョジョ・ラビット(2019/米)
ポップな色調で描くナチスドイツの最期。他では観たことがない類稀なる語り口。
アメリカ映画だが、監督タイカ・ワイティティはマオリとユダヤにルーツを持つニュージーランド人。劇中のドイツ人は終始英語を喋る。多様性をバックにした寓話的なテイストが、重くてセンシティブな題材がコミカルに描かれることへの抵抗心を中和する。
とても戦時中とは思えないスカーレット・ヨハンソンの鮮やかなファッション、彼女の靴が鍵となる戦慄の場面の衝撃。匿われたユダヤ人少女トーマシン・マッケンジーの透明感に溢れる可憐さ。イカれた暴君のように登場したサム・ロックウェルが見せる意外な本性に救われる。ゲシュタポの家宅捜査の異常性と極致に達した緊迫感。
可愛らしいジョジョ少年(顔の傷が醜いという設定だが醜く見えないのはあえてそうしているのだと思う)の純朴な軍国少年ぶりが、ナチス統治を神格化した虚構性の醜悪をアイロニックに滲み出す。抑制的に始まるラストシーンのダンスが好ましい。
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