[コメント] 燕 Yan(2019/日)
記憶パートはキラキラと輝く光線で、現代パートは重苦しいブルーグレーの色調で撮り分けるこだわりや、人物の行動を多少くどいほどショットを重ねて描くことが撮影者今村圭佑の技術だとして、それが主題に迫るための演出にまで昇華されていたかというと疑問。
印象派の絵画のようにスクリーンがきらめいていた『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(湯浅弘章監督)や、流暢な長回しと短いカッティングによる時間制御が心地よい『ホットギミック ガールミーツボーイ』(山戸結希監督)や、30代の若手映画陣の気概が活きのいいアクションとして結実していた『デイアンドナイト』(藤井道人監督)。
どれも攻めの画づくりが印象深かった作品だった。その撮影を担当していた今村圭祐の初監督作、ということで観に行った。過去にも名カメラマンが監督をした映画を何本か観ているが、カメラマンは“細部”の追求、監督は“総覧”の制御という相対する役割を同時こなして、なおかつ一流という映画にまだ出会ったことがないかもしれない。
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