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[コメント] ハリエット(2019/米)

朝か。暗いが青い空。草の上に横臥しているミンティ(ハリエット)=シンシア・エリボ。ミンティには睡眠発作があるのか。彼女の意識の混濁は、フラッシュバックで表現される部分が多い。
ゑぎ

 度々、かつて姉が南部へ売られた場面、モノクロに近い画面が、回想として挿入される。何度もこれを見せられるのは、鬱陶しく感じる。また、ミンティの超人的活動は、支援者の存在の賜物であると共に、神懸かり的、霊的、お告げ的超能力が理屈になっており、この部分は、観客を選ぶところだろう。私としては面白くない部分だ。幼少期の頭部損傷と睡眠発作と幻覚幻聴(お告げ)の関係が中途半端だ。

 ミンティの奴隷主家族が、ステレオタイプなキャラ造型で、げんなりする。中心人物のギデオン=ジョー・アルウィンはまだマシだが、特にギデオンの母親がダメ。ギデオンに雇われる黒人ハンター(ビガー・ロング)も、悪役としては怖いが、ハンターとしてのクレバーさが描かれず、イマイチ。彼に比べれば、斥候の黒人青年ウォルターは、複雑な造型で面白いと思う。また、フィラデルフィアの「地下鉄道」の首謀者(奴隷制廃止運動家)を演じるレスリー・オドム・ジュニアは今後期待大だろう。下宿屋の女主人・ジャネール・モネイは、もっと分かりやすい性格付けで良かったんじゃなかろうか。顔演技が意味深過ぎる。

 尚、撮影はベテランのジョン・トールで、ジャンル的にも得意分野と思われる。自然描写は美しいし、黒人の肌の色も良く出ている。

(評価:★3)

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