[コメント] 許された子どもたち(2020/日)
これは傑作。それは、もう冒頭の、少年達が田んぼの側で案山子を滅茶苦茶にする部分から、道路や河原を走り回るシーンで感得することができる。映画が走り出す感覚だ。
ただし、中盤までは、SNSの文字の映しこみ等の煩い画面が玉にキズ、と思いながら見たが、終盤になって、絆星(きら)−上村侑が、桃子−名倉雪乃を伴って事件現場へ戻る途中の場面、河原へ向かって2人並んで歩くカットの画面奥で、高架を列車が走る。この感覚には驚く。そして、上村侑が、河原でボーガンを持って、爆発的運動を見せるのだ。頭から粉というか、煙りのようなものが吹き出す。こゝ最高!マキノ雅弘の殴り込みのシーンを想起したりもしたが、いや、素直に考えて冒頭の案山子破壊シーンと呼応しているワケで、絆星の変貌の在りよう(あるいは変貌の無さの在りよう)の映画表現として心を打つ。また、エピローグの再生話と赤ん坊の挿話の選択にも、ちょっと簡単に真似できない、図太さを感じる。
尚、ほとんどの大人の俳優は、いびつな顔面の持ち主で(特に絆星の母親・黒岩よしと、弁護士・相馬絵美が顕著)、そんな中にあって、被害者・樹(いつき)の母親・門田麻衣子だけが、目立って凛々しい顔の持ち主だ。キャスティングの功績もあるだろうが、彼女の好演は明記しておきたい。
#子供だと、後半の転校した後の同級生、署名を集める優等生の女子、池田朱那が不自然なほどアイドルタイプの顔面です。
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