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[コメント] 恋の大冒険(1970/日)

この時代らしい積極的に空疎なドタバタ劇で「ひょっこりひょうたん島」が漠然と想起させられる。前田武彦の社長はドンガバチョそっくりだし、藤村有弘のインチキ外国語も拝聴できるし。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







植草甚一山田宏一の参加は、批評家としての信用失墜行為ではないのかという疑問は残るが、ともあれ「話の特集」の面子による映画で独立心は旺盛。失敗した前田の結婚式で参列者たちは狂ったように前田の会社のインスタントラーメンを喰らう。インスタントラーメンに洗脳されるなという警告だろう。大資本に阿らぬ立場からの黒い笑いがあった。現代ではもうこんなことは不可能。あの塩辛い味にみんな洗脳されているから、誰もこんな風刺など撮ろうとはしないだろう。

大矢と由紀さおりの歌とダンスは「歌う天気予報」みたいだ。その他個人的には、アナウンサーの土居まさるやらヒッピーの佐良直美やらの登場で、幼少の記憶がくすぐられておかしくなりそうだった。美人か不美人が特定できず、余りにも陽気な今陽子の無二のキャラはとても魅力的。ベストショットは彼女が大矢茂を諦めて別れる駅における、幾つかのジャンプカット。この件だけやたら優れており、ああ監督は羽仁進だったんだと思い出した。

(評価:★3)

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