[コメント] 新女性問答(1939/日)
芸者の世界を描く映画は数多あるが「うちのお父さん芸者に騙されたの」みたいな庶民の恨み節込で対立を描くのは珍しく、興味深かった。桑野通子の胸のすくような演説は当時驚くべきことだったのだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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川崎も水戸も桑野も(田中絹代もそうだが)一瞬見せる口元の甘えたようなキュートな崩し方が共通している。あれば大船の演技術なのではなかろうか。
ハモニカ吹いているメガネ娘は大塚君代。恋人を見て「75銭ね」「80銭にしといたげる」みたいな女学生の冗談が愉しい。そして坪内美子の啖呵が美しい。女学生グループの歌に、三味線が即興で伴奏されるのも愉しい。
この女学生と芸者の交流と友愛は桑野の演説に結実しており、力入り過ぎだろうが構わない。この主題は戦後の『女性の勝利』、桑野の遺作に語り継がれた。
「弁護士試験」と云われており、今の司法試験とは制度が違ったのだろう。」私的ベストショットは桑野の大八車での引越し。
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