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[コメント] のぼる小寺さん(2020/日)

主演の工藤 遥には☆5点を。一寸期待し過ぎちゃったかな。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
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原作未読。何も話が淡白過ぎるから駄目だと言っている訳では無い。登場人物個々の事情への言及は少ない。しかし物語は浅くなっても、メッセージを強く出す事は出来る。小寺さんが何故ボルダリングを始めたのか等、通常のドラマでは触れそうなところは触れなくてもいい。誰にだって事情はあるのだから。近藤くんの変化が捉えられているのなら、それでいいのだ。

     ◆     ◆     ◆

ボルダリングはじれったい上昇と急落下の繰り返しだ。のぼる小寺さんの視点が無いのが残念だ。冒頭、小寺さんは壁の上によじ登って立ってしまうが、その時彼女から見えた景色を描写して欲しかった。また大会のクライマックス、小寺さんがゴールのホールドを把持する瞬間は、是非上からのアングル・浅焦点で捉えて欲しかった(コマ落としで)。最後は一連の動きで描写したかったのなら、把持した直後、拍手前の一瞬でもいい。

只管近藤くん目線で下から小寺さんを見る視点も意義は解らなくも無いが、小寺さん目線を示した上で、小寺さんの考えが読めない方が、映画に訴求力が生まれるのでは無いだろうか。

夏の閑さについて。音を絞らず小寺さん(工藤 遥)の表情だけで描き切ったのは見事。彼女が「音が消えた!」と言ったので観客である自分もその事に気付くという…、役者への信頼がなくては出来ない手法だ。「夏」についての会話でありながら、青春の情熱を表現している。

     ◆     ◆     ◆

伊藤健太郎(近藤くん)は最近矢鱈と目にするので一寸鼻についてしまったが、それは仕方あるまい。四条くん(鈴木 仁)の出来が残念だった。彼の事はよく知らないのだが、配役ミスでは無いだろうか。

     ◆     ◆     ◆

その昔、横横道路(私はハマスカ道路と呼ぶ)から鷹取山が良く見えた。その後、塀内夏人の「おれたちの頂」に感涙したが、出不精な為にリュック背負って山に向かう気にはならなかった。代わりに独り直進行軍など愚行していたので、時が時ならボルダリングかパルクールに挑戦していた事だろう。

(評価:★3)

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