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[コメント] WAVES/ウェイブス(2019/米)

子どもをあの境遇においても自動的な反応しか期待できない。そこには自由意志がなく話は世界ネコ歩き程度の表層にとどまってしまう。基本的にスターリング・K・ブラウンがしくじった話であり、彼の試練こそ文芸に値する。
disjunctive

だからこそ、その父権が報われる懲悪の含みが、余計に息子から受け手の気持ちを逸らしてしまい、ぼんやりとしたホラーになってしまう。物語は選択の自由に意識的であり、他に未来があったと妹は父に告白する。その一場面だけでオス性を損なった親父が恢復してしまうのは何なのか。DV父と一瞬で和解できる機序はどうしたことか。教材に堕ちかねない筋だからこそ演出が力む。

(評価:★4)

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