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[コメント] 経営学入門 ネオン太平記(1968/日)

ロマンポルノへ向けての決意表明のような続『人類学入門』で、引き続き小沢昭一はオレタチ社会の役に立っていると息巻き続ける。アルサロのバンドが下手糞に奏でる軍艦マーチが素晴らしい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







夜の欲求激しい園佳也子のリアリズムが小沢の性を職業に昇華する、というのは判る気がする。店員のボウイは何て男優だろう、彼を下宿させるのは、園の要求を満たすためにふたりを引っ付ける小沢の腹積もりに見えたのだが違った。このほうが面白かったのではないだろうか。

痴漢の誘惑の描写が微妙だ。小沢は違法性を強調しており、ここも後のロマンポルノの開き直りへ向けての端境期の印象が強い。なぜこの件が延々描かれるのかイマイチ判然としなかったが、痴漢なんかしないためのアルサロ、ということなんだろう。双子を間違えるとか、つまんない断片も多い。

ラストのジョギングは市会議員の社長に条例違反と指摘されているのが驚き。21世紀の女子マラソンはあのくらいの露出は当然。世の中変わったものだと実感させられる。モノクロ撮影は日活爛熟期で良好。ゲロ喰らう野良犬とか掃除機で吸っちゃう新聞とか、ときどき今村っぽい断片が充実している。

(評価:★3)

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