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[コメント] 雲の上(2003/日)

その“土地”と癒着し形骸化した宗教と、かつて神仏への畏れと崇められた神話の残滓。そんな中上健次的な呪縛にからめとられる者たちの閉塞が富田克也の原点だったことを確認。本能的に、短絡的に、それに抗う馬鹿を鷹野毅が好演。いい役者だなあと思う。
ぽんしゅう

本作に続く『国道20号線』(2007年)の地方を浸食する中央の経済論理なか生気を消費する若者たち。そして2011年、地方都市に巣くう東南アジアやブラジル移民たちのなかに空疎ではあるが希望幻想を見出す『サウダージ』。さらに、インドシナの地に赴き、タイの出稼ぎ女性たちの強かなプロ意識のなかで“転がされる”心地よさに浸る食い詰め日本人たちを描いた『バンコクナイツ』。富田克也の必然的な映画制作履歴になるほど合点がいく。

(評価:★3)

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