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[コメント] 大人と子供のあいの子だい(1961/日)

中学生の日記が原作らしく、利発さが滑ったようなタイトルがいかにもそんなもので今や放送禁止だろうか。病弱な高田敏江の姉さんの造形がとても印象に残る。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特徴的なのは浜田光夫の権利意識で、父親の松下達夫に殴られながら「俺は法律で保護されているんだ」と独白する件、姉の高田敏江の会社の結核治療を過度に有難がる母の小夜福子を批判的に見る件に現れている。これは日活青春映画のベースだと思われる。

高校進学がなんて難しい時代だったんだろう。一旦宇野重吉の家から高校に通えるようになったのに、何で戻るのかイマイチ理解できないが(口減らしになっていたのに)、利発な子供らしいとは云えるが、はっきりしない収束だった。それでも東大なんだなあとある種感心した。

高田の庶民娘の造形は実に味があるのだが、最後は少し我儘が過ぎて話が纏まらなかったように思う。この頃でもまだ結核はなかなか治らなかったのだ(会社の指定病院がいい加減だったのか)。松下は外米が臭いと飯喰らうのを止めてしまう。廃品回収を修学旅行費等の不足分に充てるのはいいアイディア。河川敷での喧嘩が日活は本当に好きだがここではいい雲が撮れている。私的ベストショットは車に泥掛けられて浜田の真似して車に怒鳴る幼少の妹のユーモアで大好き。

(評価:★3)

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