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[コメント] 明日へ(2014/韓国)

本邦では四半世紀ほど見かけない組合運動実録。こんな地味な映画にスターが主演して女優賞が与えられている。ヨム・ジョンア。昔の香川京子みたいだ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







会社側の運動潰しの描写が細部に渡っていて、実に興味深い。交渉で待っている会議室の電気消される無視から始まって、いろいろ届く訴状に請求書、分断作戦にヤクザに街宣への挑発。最後は執行部解雇のうえでの全員再雇用、とテロップで報告される。決して完勝した闘争ではないのだった。

弁護士なしで素人組合で進めていくのはなぜか説明がないが、金がないということなんだろうか。組合運動中は収入がなくなるのはいずこも同じで、分断作戦が通っちゃうのだ。2007年の争議らしいが、労働法制は日本とどう違ったんだろう。スト中に代替職員を雇うのが違法なのは本邦も同じで、最近に事例があった。冒頭にミスして反省文かかされる件は日本のJRが思い出される。

映画の物語は女の友情で纏められる。誰が経済的に引き裂かれ、誰が裏切るのか、という切実なサスペンスでもって進行し、観ていて辛い。好演ヨム・ジョンアこのとき42歳は若過ぎの不思議。息子の友達のチウの癖のある演技が面白かった。修学旅行参加が相当に任意であること、学食のカード管理など、文化の違いも興味深かった。

(評価:★4)

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