[コメント] 鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻(1938/日)
60分にも満たない短縮版を見る。このバージョンしか残されていないのだろうか。「入社第一回 嵐寛寿郎主演」と最初に出る。クレジットは主要キャストをそれぞれ画面で紹介する。中では、暗闇のお兼を演じる原駒子が綺麗でキャッチする。
本作でも、瀬川路三郎が目明し(役名は長七)。彼は角兵衛獅子の元締めもやっている。長七の娘が、深水藤子で、角兵衛獅子の杉作と新吉をかばう役回りだ。
祭りのシーン。お面が回る。また、角兵衛獅子も回転運動をする。モブシーンの迫力はマキノらしさか。悪女・原駒子は般若の面。黒姫の吉兵衛・団徳麿は、おかめの面だ。アラカン天狗は、杉作と新吉に一両をあげたことがもとで、アジトが長七にばれ、新選組に踏み込まれる。アラカンと原駒子の、林の中を歩く横移動から、アラカン、回転して銃弾を避け、原駒子の拳銃を持つ手に小柄を投げるシーン。こゝの演出は見事だ。
本作では、志村喬が西郷吉之助。いつもより、かなりメイクをしている。預けられた杉作と新吉が、縁側で二人話すカット。これが、ゆっくりとした前進移動なのだが、移動中に、ポン寄りをしたのには驚かされた。
子供たちは西郷のもとから、さらわれ、大坂城代の牢に入れられる。子供たちを救うため、及び、浪士の総手入れを防ぐために、アラカンは大坂へ向かう。ラスボスの大坂城代は香川良介。堤の上を走る乗馬のアラカンのカットがカッコいい。クライマックスのチャンバラを期待させるものだが、なんかあっけなく終わってしまうのだ。殺陣シーンも、かなりカットされているのだろう。ラストは、堤の上のアラカンと子供たち。このカット、望遠撮影のように見える。
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