[コメント] 新馬鹿時代(前篇・后篇)(1947/日)
前半の闇屋取り締まる警官ロッパがやたら面白い。「公定価格の歌」をハモニカバックで歌って宣伝しても誰も聴いてくれないし、子供に「公定でグローブ売ってない」と怒られたりする。現状が喜劇でただ転記しているだけ、というのは喜劇の理想だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ホームに警官が大行列をつくる闇屋の取り締まり、情報が入って客車からみんなドンドン逃げたり、余りにも明け透けな事情に主婦を許してしまうロッパ、なんて件も心に残る。軍隊帰りの兵隊が銃持っているという描写も、ああそんなこともあったのかと思わされる。このように前半はとても面白い。
それが後半、なぜか田舎の所有する山から石炭が出てにわかに成金、という話に横ずれして詰まらなくなる。闇屋と何も関係のない放蕩三昧の描写など、実にどうでもいい。闇ヤクザが否定されて清貧が説かれて終わるのも平凡。前篇みて圧力かける上司なり外部の権力がいたのかと想像させられる。前半の調子で突っ走れば大傑作だったのに残念。
永代橋のはね風景付。エノケンの印象は薄いが終盤のロイド風のビルパフォーマンスがちょっと面白い。渡辺はま子の歌唱(「泣きぼくろ」という歌)は貴重なのだろうか、このときもうオバサンである。
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