[コメント] ちょっとフランス風(1949/米)
映画製作の映画。開巻はミュージカルシーンの撮影場面だ。ヒロインのドロシー・ラムーアは、劇中6〜7回歌唱場面がある、ほとんどミュージカル映画と云ってよいと思う。
ダグラス・サークでこの題材なので、かなり期待過多で見てしまったこともあるが、残念ながら、ちょっと性急な展開で、違和感のある出来だ。
フランス人の主演女優が倒れたので、代替者を探している映画監督役のドン・アメチーが、カーニバルの歌手、ラムーアを発見する出だし。こゝは彼女が、ブラジル人、中国人、フランス人に早変わりして成りすます、なかなか愉快なシーンになっている。しかし、この後、彼女がアメチーを好きになるのが早過ぎる。仏語とダンスと歌唱の特訓についても、上手くなるのが早過ぎ。映画出演の段取りも、演技が認められるのも、上手く行きすぎに思える。さらに、製作者役ウィラード・パーカーが、ラムーアを好きになるのも予定通りだ。この辺りまでは、良く云うと、プロット展開も人物の感情も、素直に描写する素直な映画、ということも出来るが、ちょっと面白みが欠ける展開なのだ。ただし、アメチーの邸内の階段や、映画撮影シーンのスタジオセットなど、装置の使い方は見応えがある。また、終盤から、ラストに向かって、ウィラード・パーカーとアメチーの恋の行方、その結末は、ちょっと捻った見せ方をする。
あと、序盤から、インターコムの声のみ聞かされる、撮影所のトップ、JBについては、結局最後まで出てこない。いったい誰が登場するのだろうと楽しみにしていたのだが。これはこれで、悪くない手法だが、最後にビッグネームを登場させる、という選択の方が落ち着きが良かったと思う。
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