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[コメント] NETFLIX 世界征服の野望(2019/米)

時は矢のように流れ、あっという間に世の中は変わる。栄枯盛衰、弱肉強食、その時歴史は動いた。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今や飛ぶ鳥を落とす勢いのNETFLIX。いかにして今の隆盛を築いたか。それを関係者やライバル企業のキーマンへのインタビューで明らかにする。まだ起業から23年。その間に時代の流れ、技術の進歩が大きく移り変わり、何度も危機を招きながら、薄氷を踏みながら、新しいことを取り入れて、前進し続ける。とても興味深い。

特にレンタル最大手「ブロックバスター社」との戦いは、本当に面白かった。お互いに攻防を繰り返し、一時はNetflixが追い詰められていたにもかかわらず、BB社のCEOが変わり、せっかく軌道に乗り始めたビジネスモデルを軽視し、旧態依然の店舗型へシフトを切ったことから、急速に経営が悪化し、2013年に倒産した。BB社の元会長や、戦略担当者が「目をキラッキラ」させながら、インタビューに応える様は、かつて戦ったライバルへの称賛と、自分たちの手腕が間違ってなかったんだという自信にあふれていた。

これが1997年に起業したN社は、98年に郵便でのDVDレンタル開始、99年には定額制プラン(サブスク)を導入。2007年に動画配信サービス開始、13年にはオリジナル作品『ハウス・オブ・カード』配信、制作した映画はアカデミー作品賞も受賞(『ROMA』)、そしてアマゾンやディズニーやワーナーなどが、追従して同様のサービスを開始するが、このコロナ禍で、劇場が閉鎖される中、会員数を一気に伸ばす。今年の話題を集めた『愛の不時着』もNetflix。時代の潮目を読み間違えたものは、あっという間に淘汰される。

しかしこの時代、いつ潮目がどう変わるか、誰もわからない。あと10年したら、また勢力が大きく変わっているかもしれないだろう。それはNetflix自身が一番わかってる。

そして、私はこの「時代の流れ」に完全に取り残されている。いいもん、私は映画館はだもん!『ザ・プロム』も映画館で観たもん!ちょっと涙目。

(評価:★4)

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