[コメント] AWAKE(2020/日)
吃驚するような凝った演出は無いのだが、端正にきっちり見せる。奨励会時代の少年二人の対比も良いと思うが、少年の浅川君は、朗らかな聡明さだが、長じて若葉竜也にリレーすると、ちょっと思いつめたキャラになる。一貫性が無いことよりも、この変化が面白かった。
若葉が自宅でコンピュータソフトと対戦する場面では、一回も勝つところを映さず、全て投了するのだが、これは実話で、実話にひっぱられた作劇か。事実はどうあれ、見ながら、やっぱり勝つ対局も少しは見せた方がいいんじゃないかと思ったし、今でもそう思う。それは、理屈の問題ではなく、観客の心持ちをどう動かすか、という点で。もちろん、いずれにも理非があると思いますが。
クライマックス、電王戦の対局中、すぐに、吉沢亮の顔がコンピュータディスプレイで隠されてしまう。全然映さない。矢張り、この部分の演出が一番良いと云えるだろう。この演出の厳しさには奮えるものがあった。それに比べて、エピローグの爽やかさは、私の好みではないです。甘さを残さず終わって良かったんじゃないだろうか。
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