[コメント] 燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020/香港)
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かつてサモ・ハン・キン・ポー主演の好作『燃えよデブゴン』(1980)と同じタイトル(原題『肥龍過江』も同じ)を冠した作品。主演は痩身で知られるドニー・イェンで、肉襦袢で太った肉体を作っての主演を張った。
ドニー・イェンは痩身だけでなく、物静かな役を演じることが多いために、コメディとは意外な感じなので、どんなもんかと思って観に行ってみたが、結果は普通にコメディとして楽しめる話で、とても安心して観ることが出来た。ドニー・イェン、コメディもちゃんとコメディできることが分かっただけで充分。
デブなキャラが軽快に動くのは観ていて気持ちが良い。
基本的にそれだけで感想は終わっても良い。
以降ちょっと意地の悪い見方。
香港映画は時代によって色々変遷があり、長く中国映画の牽引役だった。ところが現在は中国本国が映画作りに大変力を入れており、ハリウッドに負けない予算の大作映画も続出するようになり、本国の映画に押された形で香港映画がぱっとしなくなってしまった。 それで起死回生という訳ではなかろうが、香港映画が輝いていた時をもう一度ということだろうか?1980年の作品を引っ張り出してきた。ただ内容自体は現代を舞台にして、特徴的な場所でアクションさせるという90年代にジャッキー・チェンが確立したもので、今としてはかなり古臭さを感じるものだ。
ただ、その古臭さが良いという人も多いはず(私も含めて)。昔の香港映画を好きだった人にとってはこれはたまらない。観てるだけで昔を思い出して、「あれをこの映画館で観たなあ。」とか脳内トリップしてしまって、内容よりもノスタルジー的感覚で楽しめた。
まあ、舞台となるのが日本で、しかもずれた日本観してるのが受け入れられるかどうかというのはある。80年代風の無法地帯ナニコレ日本をそのまま描いていて、日本ってどんだけ無法地帯なんだ?というのがひっかかる。
少なくともこんな国には行きたくないし、住みたくもない。2020年代に作るなら、それなりに今の日本を描くべきだろう。それでも笑えるのは作れる。もうちょっとだけ舞台に気を遣って欲しかった。
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