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[コメント] ワンダーウーマン 1984(2020/米)

セクシーというよりは、トップアスリートのような「男前」なワンダーウーマン。ガル・ガドットは魅力的です。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この『ワンダーウーマン1984』は、コロナの影響で二度公開延期になり、北米では劇場公開と同時に配信サービスも開始で、映画関係者に大きな衝撃を与えたらしい。もちろん劇場公開されるだけまだマシで、ディズニー関連は公開すらされない事から見ても、コロナが映画界に与えた影響は計り知れない。

日本では何とか年末の公開で、私の2021年の「一本目」になりました。前作『ワンダーウーマン』の甘崎庵さんのコメントの「ヒロインではなく、ヒーロー」というのが、私の中のワンダーウーマンだ。

今回の映画では「願いをかなえる石」の扱いが問題になる。今回の悪役の「マックスウェル・ロード」の願いが、「石油を出してくれ」でいいのに、なんであんなややこしい願いにしたのか?ここが謎だ。猿の手(願いを叶える為には、大きな代償が伴うものの例えとして、よく用いられるようです)を回避するためだったのか。しかし石の力を手に入れたら、願いをかなえた相手のものを奪える、という設定で、いきなり判らなくなる。

あと代償も、最初にコーヒーを手に入れた男や、電話を取る人手が欲しいといった秘書にも失うものがあったのでしょうか(笑)。

さて話を戻すと、今回の重要人物バーバラの願い「ダイアナみたいになりたい」→ヴィラン「チーター」の誕生となるみたいだ。だが、チーターという「名前」は出てこなかったし、映画の最後に「願いを取り消す姿」が描かれなかった。チーターは、ワンダーウーマンの中では代表的なヴィランのようで、なんと五代目までいるそうで、原作ではバーバラは「三代目」らしいです。このあとワンダーウーマン映画の続編ができたら、このバーバラは絶対に登場しそうですね。

しかし彼女の望みは「ダイアナみたいになりたい」であって、「強くなりたい」ではないと思うのだが。

そしてうっかり願いを口にしてしまったダイアナ。そして最愛の人が生き返る。別人の身体を借りて。もしもこのスティーブに何かあったら、身体の持ち主も無傷じゃすまないだろうね。そしてその代償が自身の力の喪失。ダイアナだけ失うものが大きすぎない?

そして「返す」といえば「返せる」というのは、謎アイテムの力としてはどうなの?と思うのだが、ダイアナの「返す」は、そのまま愛する人をもう一度失うということ。ここだけダイアナが「ヒーロー」から「ヒロイン」になった。そういう部分のあるダイアナは素敵だ。

そしてマックスウェルなんだが、原作では実は彼もDCの世界での重要なヴィランで、「ジャスティスリーグ」のマネージャーになった人物で、「洗脳」をする能力を持っていて、ただし力を使うと、鼻や耳から血が出るそうで、劇中の出血は本来は「代償」ではなかったようだ。というか、彼にとって一番大切なものは「息子アリスタ」だと思うのだが。だから、この映画のマックスが力を手に入れたら、その分だけアリスタが危険に晒されると思うが、今回はアリスタの危機というより、人類の危機だ。それじゃ彼の目が醒めないと思います。

そういえば、劇中では直接的には「誰も死なない」映画だった。マックスウェルも生き残って、息子と再会した。DCのストーリーでは、洗脳されたスーパーマンを救うために、ワンダーウーマンに首をへし折られるらしいが。

というわけで、長いレビューになったが、DC映画はいつも悪くはないんだが、脚本的にはやっぱり「マーベルもの」には届かない印象です。

そして、この映画のもう一つの見どころは「1984年」の再現具合で、はっちゃけちゃってるところ。なつかしいファッションに、音楽。その中では、ダイアナがやっぱり「別時代」ですね。

PS/ラストシーンのダイアナっぽい後ろ姿。あれはあの金色の鎧の本来の持ち主のアステリアらしくて、演じていたのはTV版ワンダーウーマンのリンダ・カーターらしいです。

(評価:★3)

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